『このミステリーがすごい!』非公式サイト 【このミスまとめ】

このミステリーがすごい!2019年版『KONOMYS』 2019 Edition

このミステリーがすごい!2019年版

このミステリーがすごい!2019年版 国内編ランキング(1位⇒44位)を、あらすじや得点などの情報と併せて掲載しています。
奥付表記で2017年11月~2018年10月に発行されたミステリー作品が対象です。
アンケート回答者(国内76名)が選出した作品について、以下の配点により集計しています。
点数が20点に満たない作品はランキング対象外となります。
【1位】10点 / 【2位】9点 / 【3位】8点 / 【4位】7点 /【5位】6点 / 【6位】5点

< 前年(2018年版) 翌年(2020年版) >

  • 第1位 ⇒ 第10位

    第1位第1位それまでの明日(238点)


    著者:原寮

    11月初旬のある日、渡辺探偵事務所の沢崎のもとを望月皓一と名乗る紳士が訪れた。
    消費者金融で支店長を務める彼は、融資が内定している赤坂の料亭の女将の身辺調査を依頼し、内々のことなのでけっして会社や自宅へは連絡しないようにと言い残し去っていった。沢崎が調べると女将は六月に癌で亡くなっていた。
    顔立ちのよく似た妹が跡を継いでいるというが、調査の対象は女将なのか、それとも妹か?
    しかし、当の依頼人が忽然と姿を消し、いつしか沢崎は金融絡みの事件の渦中に。
    切れのいい文章と機知にとんだ会話。
    時代がどれだけ変わろうと、この男だけは変わらない。
    14年もの歳月を費やして遂に完成した、チャンドラーの『長いお別れ』に比肩する渾身の一作。
    (「BOOK」データベースより)

    第2位第2位ベルリンは晴れているか(168点)


    著者:深緑野分

    総統の自死、戦勝国による侵略、敗戦。
    何もかもが傷ついた街で少女と泥棒は何を見るのか。
    1945年7月。
    ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。
    ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げる。
    米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく旅出つ。
    しかしなぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になり―ふたりはそれぞれの思惑を胸に、荒廃した街を歩きはじめる。
    最注目作家が放つ圧倒的スケールの歴史ミステリ。
    (「BOOK」データベースより)

    第3位第3位錆びた滑車(157点)


    著者:若竹七海

    女探偵・葉村晶は尾行していた老女・石和梅子と青沼ミツエの喧嘩に巻き込まれる。
    ミツエの持つ古い木造アパートに移り住むことになった晶に、交通事故で重傷を負い、記憶を失ったミツエの孫ヒロトは、なぜ自分がその場所にいたのか調べてほしいと依頼する―。
    大人気、タフで不運な女探偵・葉村晶シリーズ。
    (「BOOK」データベースより)

    第4位沈黙のパレード(143点)


    著者:東野圭吾

    突然行方不明になった町の人気娘が、数年後に遺体となって発見された。
    容疑者は、かつて草薙が担当した少女殺害事件で無罪となった男。
    だが今回も証拠不十分で釈放されてしまう。
    さらにその男が堂々と遺族たちの前に現れたことで、町全体を憎悪と義憤の空気が覆う。
    秋祭りのパレード当日、復讐劇はいかにして遂げられたのか。
    殺害方法は?アリバイトリックは?超難問に突き当たった草薙は、アメリカ帰りの湯川に助けを求める。
    (「BOOK」データベースより)

    第5位宝島(122点)


    著者:真藤順丈

    英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。
    固い絆で結ばれた三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコ。生きるとは走ること、抗うこと、そして想い続けることだった。
    少年少女は警官になり、教師になり、テロリストになり―同じ夢に向かった。
    超弩級の才能が放つ、青春と革命の一大叙事詩!!
    (「BOOK」データベースより)

    第6位碆霊の如き祀るもの(121点)


    著者:三津田信三

    断崖に閉ざされた海辺の村に古くから伝わる、海の怪と山の怪の話。
    その伝説をたどるように起こる連続殺人事件。
    どこかつじつまが合わないもどかしさのなかで、刀城言耶がたどり着いた「解釈」とは……。
    シリーズ書き下ろし最新作!
    (「Amazon.co.jp」より)

    第7位雪の階(109点)


    著者:奥泉光

    昭和十年、春。数えで二十歳、女子学習院に通う笹宮惟佐子は、遺体で見つかった親友・寿子の死の真相を追い始める。
    調査を頼まれた新米カメラマンの牧村千代子は、寿子の足取りを辿り、東北本線に乗り込んだ―。
    二人のヒロインの前に現れる、謎のドイツ人ピアニスト、革命を語る陸軍士官、裏世界の密偵。
    そして、疑惑に迫るたびに重なっていく不審な死。
    陰謀の中心はどこに?誰が寿子を殺めたのか?
    昭和十一年二月二十六日、銀世界の朝。
    惟佐子と千代子が目にした風景とは―。
    戦前昭和を舞台に描くミステリーロマン。
    (「BOOK」データベースより)

    第8位東京輪舞(106点)


    著者:月村了衛

    田中角栄邸の警備をしていた警察官・砂田修作は、公安へと異動し、数々の事件と関わっていく―
    圧倒的スケールで激動の時代の暗闘を炙り出す。
    (「BOOK」データベースより)

    第9位凍てつく太陽(91点)


    著者:葉真中顕

    昭和二十年―終戦間際の北海道・室蘭。
    逼迫した戦況を一変させるという陸軍の軍事機密「カンナカムイ」をめぐり、軍需工場の関係者が次々と毒殺される。
    アイヌ出身の特高刑事・日崎八尋は、「拷問王」の異名を持つ先輩刑事の三影らとともに捜査に加わることになるが、事件の背後で暗躍する者たちに翻弄されてゆく。
    陰謀渦巻く北の大地で、八尋は特高刑事としての「己の使命」を全うできるのか―。
    民族とは何か、国家とは何か、人間とは何か。
    魂に突き刺さる、骨太のエンターテイメント!
    (「BOOK」データベースより)

    第10位火のないところに煙は(65点)


    著者:芦沢央

    「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の「私」は、かつての凄惨な体験を振り返る。
    解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。
    「私」は、事件を小説として発表することで情報を集めようとするが―。
    予測不可能な展開とどんでん返しの波状攻撃にあなたも必ず騙される。
    一気読み不可避、寝不足必至!!
    読み始めたら引き返せない、戦慄の暗黒ミステリ!
    (「BOOK」データベースより)

    第10位グラスバードは還らない(65点)


    著者:市川憂人

    マリアと漣は、大規模な希少動植物密売ルートの捜査中、得意取引先に不動産王ヒュー・サンドフォードがいることを掴む。
    彼にはサンドフォードタワー最上階の邸宅で、秘蔵の硝子鳥や希少動物を飼っているという噂があった。
    捜査打ち切りの命令を無視してタワーを訪れた二人だったが、あろうことかタワー内の爆破テロに巻き込まれてしまう!
    同じ頃、ヒューの所有するガラス製造会社の社員とその関係者四人は、知らぬ間に拘束され、窓のない迷宮に閉じ込められたことに気づく。
    傍らには、どこからか紛れ込んだ硝子鳥もいた。
    「答えはお前たちが知っているはずだ」というヒューの伝言に怯える中、突然壁が透明になり、血溜まりに黄たわる社員の姿が…。
    鮎川哲也賞受賞作家が贈る、本格ミステリーシリーズ第3弾!
    (「BOOK」データベースより)

    '89版以来、2度目の第1位選出は原寮!前作『愚か者死すべし』から実に14年ぶりの長編作品!

    伝説のハードボイルド作家、原寮が帰ってきた!
    14年ぶりに出版された「沢崎シリーズ」の最新作で何と第1位に選出されました。
    名実ともに申し分ないことは周知の事実ですが、若手作家が数多く活躍する現代文学において、その面々を寄せ付けないダントツの得票は素晴らしい。

    第2位は深緑野分。
    2016年版でも『戦場のコックたち』で第2位に選出され、この2019年版でも第2位と着実に実力をつけています。
    第3位は若竹七海の「葉村晶シリーズ」の最新作『錆びた滑車』。
    近年トップ5以内へのランクインが増加しているので、彼女もこの勢いで第1位を狙って頂きたいと思います。

    昨年に引き続き新旧の作家が選出される中、真藤順丈は初のトップ10入り!
    奥泉光も2011年版『シューマンの指』以来のトップ10入りとなりました。

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  • 第11位 ⇒ 第20位

    第12位漂砂の塔(91点)


    著者:大沢在昌

    二〇二二年、雪と氷に閉ざされた北方領土の離島。
    日中露合弁のレアアース生産会社「オロテック」で働く日本人技術者が、死体となって発見された。
    凍てつく海岸に横たわる体。
    何者かに抉りとられていた両目。
    捜査権がなく、武器も持てない土地に送り込まれたのは、ロシア系クォーターで中国語とロシア語が堪能な警視庁の石上だった。
    元KGBの施設長、美貌の女医、国境警備隊の若き将校、ナイトクラブのボス…敵か、味方か?
    信じられるのは、いったい誰だ?日中露三ヵ国の思惑が交錯し、人間たちの欲望が渦を巻く!
    (「BOOK」データベースより)

    第13位スケルトン・キー(56点)


    著者:道尾秀介

    週刊誌記者のスクープ獲得の手伝いをしている僕、坂木錠也。
    この仕事を選んだのは、スリルのある環境に身を置いて心拍数を上げることで、自分の狂気を抑え込むことができるからだ。
    最近は、まともな状態を保てている。
    でもある日、児童養護施設でともに育った仲間から電話がかかってきて、日常が変わりはじめた。
    これまで必死に守ってきた平穏が、壊れてしまう―僕に近づいてはいけない。
    殺してしまうから。
    あなたは死んでしまうから。
    (「BOOK」データベースより)

    第14位インド倶楽部の謎(53点)


    著者:有栖川有栖

    前世から自分が死ぬ日まで―すべての運命が予言され記されているというインドに伝わる「アガスティアの葉」。
    この神秘に触れようと、神戸の異人館街の外れにある屋敷に“インド倶楽部”のメンバー七人が集まった。
    その数日後、イベントに立ち会った者が相次いで殺される。
    まさかその死は予言されていたのか!?
    捜査をはじめた臨床犯罪学者の火村英生と推理作家の有栖川有栖は、謎に包まれた例会と連続殺人事件の関係に迫っていく!
    (「BOOK」データベースより)

    第15位ネクスト・ギグ(51点)


    著者:鵜林伸也

    逆光を浴びながらステージに登場したボーカルは、突如悲痛な叫び声をあげるとその場に頽れた。
    彼の胸には千枚通しが突き刺さっていた。
    衆人環視の中でのボーカルの不可解な変死により、ロックバンド“赤い青”は活動休止に追い込まれる。
    事件直前、カリスマ的なギタリストが演奏中に冒した、彼に似つかわしくないミスは事件と何か関係があるのか?
    ライブハウスのスタッフである梨佳は、あの日なにが起こったのかを考え始める。
    やがて起きた第二の悲劇―ロックは、果たして人を殺すのか?
    無冠の大型新人が満を持して贈る、感動の第一長編。
    (「BOOK」データベースより)

    第15位アリバイ崩し承ります(51点)


    著者:大山誠一郎

    美谷時計店には「時計修理承ります」とともに「アリバイ崩し承ります」という貼り紙がある。
    難事件に頭を悩ませる新米刑事はアリバイ崩しを依頼する。
    ストーカーと化した元夫のアリバイ、郵便ポストに投函された拳銃のアリバイ…7つの事件や謎を、店主の美谷時乃は解決できるのか!?
    「2019本格ミステリ・ベスト10」第1位の人気作、待望の文庫化!
    (「BOOK」データベースより)

    第15位叙述トリック短編集(51点)


    著者:似鳥鶏

    本格ミステリ界の旗手が仕掛ける前代未聞の読者への挑戦状!
    (「BOOK」データベースより)

    第18位蒼き山嶺(48点)


    著者:馳星周

    元山岳遭難救助隊員の得丸志郎は、残雪期の白馬岳で公安刑事・池谷博史と再会した。
    二人は大学時代、山岳部で苦楽をともにした同期だった。
    急遽、白馬岳山頂までのガイドを頼まれた得丸が麓に電話を入れると、警察に追われた公安刑事が東京から逃げてきている、という話を聞かされる。
    厳しい検問が敷かれ、逃げるには山を越えるしかないと言われたその時、池谷が拳銃の銃口を押しつけてきた―。
    (「BOOK」データベースより)

    第19位探偵AIのリアル・ディープラーニング(44点)


    著者:早坂吝

    人工知能の研究者だった父が、密室で謎の死を遂げた。
    「探偵」と「犯人」、双子のAIを遺して―。
    高校生の息子・輔は、探偵のAI・相以とともに父を殺した真犯人を追う過程で、犯人のAI・以相を奪い悪用するテロリスト集団「オクタコア」の陰謀を知る。
    次々と襲いかかる難事件、母の死の真相、そして以相の真の目的とは!?
    大胆な奇想と緻密なロジックが発火する新感覚・推理バトル。
    (「BOOK」データベースより)

    第19位破滅の王(44点)


    著者:上田早夕里

    一九四三年、上海。
    かつては自治を認められた租界に、各国の領事館や銀行、さらには娼館やアヘン窟が立ち並び、「魔都」と呼ばれるほど繁栄を誇ったこの地も、太平洋戦争を境に日本軍に占領され、かつての輝きを失っていた。上海自然科学研究所で細菌学科の研究員として働く宮本は、日本総領事館から呼びだされ、総領事代理の菱科と、南京で大使館附武官補佐官を務める灰塚少佐から重要機密文書の精査を依頼される。
    その内容は驚くべきものであった。
    「キング」と暗号名で呼ばれる治療法皆無の細菌兵器の詳細であり、しかも論文は、途中で始まり途中で終わる不完全なものだった。
    宮本は治療薬の製造を任されるものの、それは取りも直さず、自らの手でその細菌兵器を完成させるということを意味していた―。
    (「BOOK」データベースより)

    ベテラン勢が面目躍如。その中でキラリと光る新生・鵜林伸也!

    原寮に続き、大沢在昌や馳星周らがランクインし、本年度はハードボイルドの当たり年か。
    上田早夕里はSFに定評があったものの、ミステリとして評価されたのには驚きです。

    道尾秀介や有栖川有栖と本格ミステリ作家が続く中で、新生・鵜林伸也がランクイン!
    デビュー作でトップ20位に食い込んでくる実力は、果たしてこれからのミステリ界を牽引できるのか注目。

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  • 第21位 ⇒ 第30位

    第21位パズラクション(42点)


    著者:霞流一

    私は和戸隼。
    殺し屋だ。
    今夜も完璧な準備をもってターゲットを仕留めた、はずだった。
    ところが偶然が偶然を呼び、おそろしく不可解な密室状況となってしまった。
    やむなくわれわれは、そこへ「操査」のための仕掛けを施すのだが、その後も、ことごとく事件は不可解な状況へと転がっていく…。
    「真相」を超える「新相」、そして「深層」へいたる多層推理の極み。
    (「BOOK」データベースより)

    第21位生き残り(42点)


    著者:古処誠二

    退路を断たれた北ビルマでの戦いで、独歩患者は分進隊として切り離される。
    経験のとぼしい見習士官を付けられての転進中、イラワジ河で敵機に襲われ、九死に一生を得た森川上等兵。
    死に物狂いで泳ぎ着いた中州に漂着してきたのは、伍長の刺突遺体だった。
    自決か、他殺か―。
    腹を探り合う兵隊たちは、ゲリラに包囲された中州で籠城を余儀なくされ、ひとり、またひとりと命を落とす。
    息もできない閉塞感とサスペンスフルな展開。
    どうしようもなく感情を揺さぶられる驚天動地の戦場ミステリ!
    (「BOOK」データベースより)

    第23位夏を取り戻す(40点)


    著者:岡崎琢磨

    これは、もうすぐ二十一世紀がやってくる、というころに起きた、愛すべき子供たちの闘いの物語。
    ―不可能状況下で煙のように消え去ってみせる子供たちと、そのトリックの解明に挑む大人の知恵比べ。
    単なる家出か悪ふざけと思われた子供たちの連続失踪事件は、やがて意外な展開を辿り始める。
    地域全体を巻き込んだ大騒ぎの末に、雑誌編集者の猿渡の前に現れた真実とは?
    いま最も将来を嘱望される俊英が新境地を切り拓く、渾身の力作長編。ミステリ・フロンティア百冊到達記念特別書き下ろし作品、遂に刊行!
    (「BOOK」データベースより)

    第24位友達以上探偵未満(38点)


    著者:麻耶雄嵩

    三重県立伊賀野高校の放送部に所属する伊賀ももと上野あおは大のミステリ好き。
    ある日、部活動で訪れた伊賀の里ミステリーツアーで事件に巻き込まれる。
    探偵に憧れる二人はこれ幸いと、ももの直感力とあおの論理力を活かし事件を解決していくが…?(「伊賀の里殺人事件」)。
    見立て殺人?お堀幽霊の謎?合宿中にも殺人事件…。
    勝てばホームズ。
    負ければワトソン。
    この世界に名探偵は二人も、いらない。
    女子高生探偵・ももとあおの絶対に負けられない推理勝負、開幕!
    (「BOOK」データベースより)

    第25位(37点)


    著者:赤松利市

    紀州雑賀崎を発祥の地とする一本釣り漁師船団。
    かつては「海の雑賀衆」との勇名を轟かせた彼らも、時代の波に呑まれ、終の棲家と定めたのは日本海に浮かぶ孤島だった。
    日銭を稼ぎ、場末の居酒屋で管を巻く、そんな彼らの生を照らす一筋の光明。
    しかしそれは破滅への序曲にすぎなかった―。
    第1回大藪春彦新人賞受賞者、捨身の初長編。
    (「BOOK」データベースより)

    第25位少女を殺す100の方法(37点)


    著者:白井智之

    とある名門女子中学校。
    ある日、二年A組の担任・ススワタリが血相を変えて校長室に飛び込んできた。
    鍵のかかった教室で、生徒20人が死体で見つかったのだ。
    教頭のクサカベは学校に都合よく真相を偽装するため、警察よりも先に犯人を捕らえようと目論む。
    同級生20人を皆殺しにした犯人は誰なのか?
    事件は思いもよらない方向へ転がっていく。(少女教室)
    学園、ホラー、メタミス、エログロ、SF。
    少女20人の死をテーマに紡がれる、5つの本格ミステリ。
    (「BOOK」データベースより)

    第27位ドッペルゲンガーの銃(36点)


    著者:倉知淳

    密閉空間に忽然と出現した他殺死体について―「文豪の蔵」。
    二つの地点で同時に事件を起こす分身した殺人者について―「ドッペルゲンガーの銃」。
    痕跡を一切残さずに空中飛翔した犯人について―「翼の生えた殺意」。
    この謎を解くのはキャリア警察官僚の兄か、女子高生ミステリ作家の妹か、それとも…?
    (「BOOK」データベースより)

    第28位長く高い壁(31点)


    著者:浅田次郎

    1938年秋。
    流行探偵作家の小柳逸馬は、従軍作家として北京に派遣されていた。
    だが、突然の要請で前線へ向かうこととなる。
    検閲班長の川津中尉と共に、北京から半日がかりで辿り着いた先は、万里の長城、張飛嶺。
    そこで待っていたのは、第一分隊10名が全員死亡という大事件だった。
    なぜ、戦場に探偵作家が呼ばれたのか。
    10名は戦死ではないのか!?
    分隊内での軋轢、保身のための嘘、軍ならではの論理―。
    従軍作家の目を通し、日中戦争の真実と闇が、いま、解き明かされる。
    「戦争の大義」「軍人にとっての戦争」とは何かを真摯に捉え、胸に迫る人間ドラマ。
    (「BOOK」データベースより)

    第29位翼竜館の宝石商人(30点)


    著者:高野史緒

    1662年晩夏のアムステルダム。
    宝石商ホーヘフェーンがペストで死んだ。
    しかし遺体が埋葬された翌日、その館の鉄格子がはまった部屋で、ホーヘフェーンに瓜二つの男が意識不明で発見される。
    画家レンブラントの息子ティトゥスと、記憶を失った男ナンドはひょんなことから事態に巻き込まれ、謎の解明に乗り出すが。
    17世紀ネーデルラントの濃い闇の中から浮かび上がる真相とは。
    (「BOOK」データベースより)

    第30位皇帝と拳銃と(28点)


    著者:倉知淳

    私の誇りを傷つけるなど、万死に値する愚挙である。
    絶対に許してはいけない。
    学内で“皇帝”と称される稲見主任教授は、来年に副学長選挙を控え、恐喝者の排除を決意し実行に移す。
    犯行計画は完璧なはずだった。
    そう確信していた。
    あの男が現れるまでは。
    著者初の倒叙ミステリ・シリーズ、全四編を収録。
    “刑事コロンボ”の衣鉢を継ぐ警察官探偵が、またひとり誕生する。
    (「BOOK」データベースより)

    第30位風神の手(28点)


    著者:道尾秀介

    彼/彼女らの人生は重なり、つながる。
    隠された“因果律”の鍵を握るのは、一体誰なのか―章を追うごとに出来事の“意味”が反転しながら結ばれていく。
    数十年にわたる歳月をミステリーに結晶化した長編小説。
    (「BOOK」データベースより)

    異色の経歴を持つ作家・赤松利市!その作品タイトルは何と『鯖』(笑)

    これまでにも異色の経歴を持つ作家は数多くいましたが、赤松利市ほどとなると記憶にありません。
    何でもデビュー時既に60歳オーバー、住所不定無職だとか。
    そして本年度ランクインした作品、タイトルは何と『鯖』!
    漁師船団を描いた作品ですが、目にするものに強烈なインパクトを残すに違いありません。

    特殊設定の雄・白井智之や'98年版『鉄道員』以来の選出となった浅田次郎など、話題に事欠かない20位台となりました。

    < 前年(2018年版) 翌年(2020年版) >

  • 第31位 ⇒ 第40位

    第32位俺はエージェント(27点)


    著者:大沢在昌

    下町の居酒屋にかかってきた1本の電話―。
    二十三年ぶりにオメガ・エージェントの極秘ミッション「コベナント」が発動され、スパイ小説好きの俺は、元凄腕エージェントの白川老人と行動を共にするはめになる。
    オメガの復活を阻止すべく、敵対するアルファ・エージェントの殺し屋たちが次々と俺たちに襲いかかる。
    だが、何かがおかしい。
    裏切り者は誰か?
    誰が味方で誰が敵なのか、誰にもわからない。
    そして、裏切られた裏切り者とは…!?
    (「BOOK」データベースより)

    第32位絵里奈の消滅(27点)


    著者:香納諒一

    失踪した女「絵里奈」を取り巻く闇に、元刑事の探偵・鬼束が迫る!
    鬼束がかつて逮捕した男・牛沼が水死体で発見された。
    彼は亡くなる前日に、鬼束に依頼の電話をかけていたらしい。
    その内容とは、行方不明になっている娘・絵里奈を探してほしいというもの。
    鬼束は依頼人不在のまま、牛沼の遺品の写真をもとに、絵里奈の行方を追うことになるが…。
    彼が最後に目にした衝撃の結末とは?
    (「BOOK」データベースより)

    第32位黙過(27点)


    著者:下村敦史

    移植手術、安楽死、動物愛護…「生命」の現場を舞台にしたミステリー。
    意識不明の患者が病室から消えた!?(『優先順位』)。
    なぜ父はパーキンソン病を演じているのか(『詐病』)。
    母豚の胎内から全ての子豚が消えた謎(『命の天秤』)。
    真面目な学術調査団が犯した罪(『不正疑惑』)。
    この手術は希望か、それとも絶望か―(『究極の選択』)
    (「BOOK」データベースより)

    第35位泥濘(26点)


    著者:黒川博行

    老人ホームにオレオレ詐欺。
    老人を食い物にする警察官OBグループのシノギを、二蝶会への復帰が叶った桑原と二宮の疫病神コンビはマトにかける。
    しかし二宮は拉致され桑原は銃撃を受け心肺停止に。
    予測不能なドンデン返しにつぐドンデン返し。
    絶体絶命の二人を待つ運命は?
    (「BOOK」データベースより)

    第36位〈ミリオンカ〉の女 うらじおすとく花暦(25点)


    著者:高城高

    名作『函館水上警察―ウラジオストクから来た女』の“正編”とも言えるもう一つの“物語”。
    (「BOOK」データベースより)

    第36位地検のS(25点)


    著者:伊兼源太郎

    湊川地検の総務課長、伊勢雅行。
    地検の事実上トップである歴代次席検事の懐刀。
    地検内の事務全般だけではなく、地元政財界との太いつながり、時には量刑の判断にまで関わっていると言われ、湊川地検で起きることの裏には、必ずこの男の存在があった。
    真っ白な髪から「白い主=シロヌシ」転じて「S」、あるいはスパイめいた暗躍から「エス」と呼ばれている。
    検事でもない総務のトップがなぜ…。
    (「BOOK」データベースより)

    第36位ブルーロータス 巡査長 真行寺弘道(25点)


    著者:榎本憲男

    真行寺弘道は、ある理由から出世を拒否し、五十三歳ながら捜査一課のヒラ刑事だ。
    荒川沿いを流す真行寺は捜査員たちに出くわす。
    河川敷で変死体が発見されたという。
    やがてこの死体はインド人男性であることが判明。
    その死に事件性を感じた真行寺が、インドを専門とする若き研究者・時任の協力で捜査を進めると…。
    痛快娯楽大作第二弾!
    (「BOOK」データベースより)

    第36位未来(25点)


    著者:湊かなえ

    ある日、突然届いた一通の手紙。
    送り主は未来の自分だという…。
    『告白』から10年。
    湊ワールドの集大成!
    待望の書き下ろし長編ミステリー!
    (「BOOK」データベースより

    第40位虚の聖域 梓凪子の調査報告書(24点)


    著者:松嶋智左

    元警察官にして探偵・梓凪子に舞い込んだ依頼は最悪のものだった。
    理由はふたつ。
    ひとつは、捜査先が探偵の天敵とも言える学校であること。
    もうひとつは、依頼人が、犬猿の仲である姉の未央子であること。
    大喧嘩の末、凪子は未央子の息子・輝也の死を捜査することになる。
    警察は自殺と判断したにもかかわらず、凶器をもった男たちに襲撃された凪子は、事件に裏があることを確信するが―。
    責任を認めない教師、なにかを隠している姉、不可解な行動を繰り返す輝也の同級生―。
    すべての鍵は、人々がひた隠しに守っている心のなかの“聖域”だった。
    (「BOOK」データベースより)

    初選出の伊兼源太郎、松嶋智左、榎本憲男。多才な作家が集う!

    第33回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビューした伊兼、日本初の女性白バイ隊員の松嶋、映画監督や脚本もこなす榎本と、本当に才能に溢れた作家が数多く選出されました。
    作家が本業でない方も多いですが、これから何度もランキング選出となってほしい顔ぶれです。

    下村敦史や黒川博行らがこの順位では寂しい。
    トップ10入りも狙える実力派だけに、次回作には大いに期待です。

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  • 第41位 以下

    第41位帝都探偵大戦(23点)


    著者:芦辺拓

    半七、銭形平次、顎十郎らが江戸を騒がす奇怪な謎を追う「黎明篇」。
    軍靴の足音響く東京で、ナチスが探す“輝くトラペゾヘドロン”を巡る国家的謀略に巻き込まれた法水麟太郎・帆村荘六らの活躍を描く「戦前篇」。
    空襲の傷が癒えぬ東京で、神津恭介が“あべこべ死体”に遭遇し、明智探偵事務所宛の依頼を受けた小林少年が奇禍に見舞われ、帝都を覆う巨大な陰謀に、警視庁捜査一課の名警部集団のほか、大阪など各都市からも強力な援軍が駆けつけ総力戦を挑む「戦後篇」。
    五十人の名探偵たちが新たな犯罪と戦うため、いま集結する。
    (「BOOK」データベースより)

    第41位滅びの園(23点)


    著者:恒川光太郎

    一人の男の見る夢がすべての鍵を握る。
    滅亡に向かう世界。
    異才・恒川光太郎が幻視する残酷で美しい世界の終わり。
    (「BOOK」データベースより)

    第43位噛みあわない会話と、ある過去について(22点)


    著者:辻村深月

    怒りは消えない。
    それでいい。
    あのころ言葉にできなかった悔しさを、辻村深月は知っている。
    共感度100%!切れ味鋭い傑作短編集。
    (「BOOK」データベースより)

    第44位異常探偵 宇宙船(21点)


    著者:前田司郎

    一人の主婦が、この街を救う。
    秘密の“性癖”を抱えた人々が、彼女を呼ぶ。
    その名は、名探偵・宇宙船。
    笑い、葛藤、ときめき!脱力系探偵小説。
    (「BOOK」データベースより)

    ここでも初選出作家が続く。ランクインしていない作家も次回に期待!

    恒川光太郎や前田司郎が初選出。今年度は初選出作家が多かったような気もしています。 反面、伊坂幸太郎や米澤穂信、宮部みゆきに東山彰良らの名前が挙がっていないのが残念。 出版する作品や時期との兼ね合いもありますが、来年度は実力を見せて頂きたいと思います。

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